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アイキャッチ画像の出典元:株式会社KADOKAWA 本紹介ページ
基本情報
この本の要点
- コレステロールは高めが長生き
- 日本動脈硬化学会のガイドライン「総コレステロール値220mg/dL以上を高コレステロール血症とする」は科学的根拠が無い
- コレステロールは健康に欠かせない
- コレステロールを下げると心筋梗塞の死亡率は若干下がるが、それ以上にガン等の死亡率が上がる
- コレステロール低下剤はベネフィット(利益)よりリスク(副作用)が勝る
評価
健康診断でコレステロール値が高いと言われた人(私です)は、病院に行く前にまずこの本を読みましょう。
お医者さんというと人間の体については何でも知っていると思いがちですが、実は全然そんな事はありません。この本を読むと学会が出したガイドラインに従って診察をしているだけという事が良く分かります(お医者さん一人ひとりに病気の研究をする時間が無いので仕方ありませんが)。
権威のある学会がしっかりした科学的根拠をもってガイドラインを決めてくれれば良いのですが、欧米より心筋梗塞の死亡率が低い日本で、何故か欧米より厳しいコレステロール値の基準を設けたり、ガイドラインに反する調査結果が出ても基準を改めようとしなかったり……どうしてこうなった!?と思わずにはいられません。
この本の中でも言及されていますが、後々コレステロールが高い方が健康に良いと明確に立証された場合、コレステロール低下剤はそれこそ薬害として訴えられるのではないか?と感じます。
不適切なガイドラインのせいで、不要にコレステロール低下剤を使用する人が増え、本来死ななくて良かった人がガンで死に、無駄な医療費が積み上がって国の財政が圧迫される……
製薬企業と御用学者の間で金銭の授受があったとか報道されたとしても何ら不思議では無い状況です。この本に書かれている内容が広く一般に広まってくれる事を願ってやみません。
【5段階評価】
価格:★★★★★
文庫本とはいえ、これだけしっかりした内容の本で1,000円しないというのは相当にコストパフォマンスが良いと思います。
読み易さ:★★★★
学術的な調査や生化学的な内容など、専門ではない人にとっては分かり難くなり易い題材を扱った本ですが、なるべく難しい言葉を使わずに、初心者にも分かり易いよう解説されています。文章の構成もスッキリしていて、くだけた文体なので堅苦しい感じもしません。
情報の信憑性:★★★★
単に持論を述べるだけではなく、その都度根拠となるデータが示される構成になっています。データの解釈に関して異論がある方は出るかもしれませんが、著者の解析に不自然な点は無いですし、この本が主張する内容を全否定出来るような人は居ないでしょう。
(もし、そんな人が居たらコレステロール低下剤を売る事で利益が発生する人でしょう)
お勧めする読者
- 健康診断でコレステロール値が高いと言われた人
- コレステロール低下剤を飲んでいる人
- 健康で長生きしたい人
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