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コミックマーケット96に参加された方は、ご存知の方も多いと思いますが、3日目の待機列において問題が発生しました。
どんな問題かというと
- 東駐車場で待機していた参加者より、後に来場した参加者の方が先に入場出来てしまうという入場順の逆転現象が起きた。
- 飲料販売ブースや場外救護テント等の無い東駐車場で長時間待機した事により、熱中症等で5名を救急搬送する事態になった。
大きく上記2点が発生しました。
この問題に関して、SNS等で参加者の間でも様々な意見が飛び交っています。
また、コミックマーケット準備会も公式声明を出しており、なぜこのような事態に至ったのか、経緯が説明されています。
(コミックマーケット準備会の公式声明はこちら)
当時現場に居た参加者の1人(自分はゆりかもめ始発参加で、東駐車場には移動しませんでしたが)として、コミックマーケット準備会の公式声明を読んで感じたことを記載したいと思います。
まず、今回の問題が発生した原因は以下の3点だと思います。
- オリンピック対応で東展示棟が使用出来なかった。
- 企業ブースが東京ビッグサイトと離れた場所(青海展示棟)になり、スタッフが分散した。
- 上記1及び2の体制が初めてであり、スタッフ、参加者共に慣れていなかった。
コミックマーケット96 3日目の来場者数はおおよそ20万人であり、本来であれば東と西の両展示棟がフルに使えたとしても混雑する人数です。
南展示棟があるとはいえ、東展示棟より小さく西展示棟との距離が近い為、一箇所に人が集中し易い状況となっていました。
自分は11時頃に西1ホール辺りを周っていましたが、壁際の人数はコミケでもなかなか見ない程に過密状態であり、自分が進みたい方向に行くのがほぼ不可能な状態でした。
一方、西2ホールの方は西1ホールと比較して人が少なく、比較的スムーズに周れる状態でしたので、サークルのジャンル配置をもう少し考えて、人数が1つのホールに偏り過ぎないようにした方が良かったのではと思います。
コミックマーケット準備会の公式声明を読むと、下に示すようにビッグサイト内で使用出来るスペースが減ったこと、一箇所に想定以上の人数が集中したことが原因であることが分かります。
- 東駐車場を急遽待機場所とした理由は、想定以上の来場者数により元々予定していた待機場所(プロムナード公園)だけでは不足する事態になったため。
- 東駐車場での待機時間が長くなってしまったのは、西地区場内が想定を超えて混雑し、東駐車場・鉄鋼道路(東123ホール裏の道路)からの入場が上手く進まなかったため。
後から来場した人の方が先に入場出来た逆転現象も、外で待機する時間を最小限にする為にリストバンド確認を一時終了し、入口を複数設けた為であり、東駐車場からの導線が滞った事と合わさって発生した事象です。
勿論、だからといってコミックマーケット準備会には何の落ち度もなかったわけではありませんし、もし自分が東駐車場に待機させられていたら、入場が遅れて自分の買いたかった同人誌が売り切れたら、熱中症で倒れていたら、コミックマーケット準備会の不手際を恨む立場になっていたかもしれません。
しかし、今回の事例は色々な初めてが重なった中、想定し切れなかった問題が噴出した不可抗力ともいうべき事例であったと自分は考えています。
コミックマーケット準備会側も、3日目で発生した問題を認識して公式に謝罪を行い、続く4日目に同様の問題が発生しないよう速やかな対策を行っており、真摯に対応していると感じました。
元々、コミケスタッフはボランティアであり、コミックマーケットに「お客様」はいません。全員が「参加者」であり、ひとりひとりが協力して場を作っていくイベントです。
コミックマーケットは、自分が好きな物を好きと大手を振って言える貴重なイベントだと思います。
この貴重なイベントをこれからも続けていく為に、コミックマーケット準備会の責任を追求するよりも、どうすれば東展示棟が使用出来ない状態でもスムーズにイベントが開催出来るか、皆で知恵を出し合っていければ良いなと思う次第です。
(コミックマーケット準備会には、イベントのルールを守らない徹夜組に対する根本的な対策を願うばかりです)
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