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あなたはどんな方法で勉強していますか?
学校のテスト勉強、受験勉強、資格試験の勉強、仕事に関する知識の勉強、世の中には様々な勉強がありますが、せっかく勉強するなら効率の良い勉強をしたいですよね。
長い時間をかけて勉強したのに、知識が身につかずいざという時に使えないのでは、時間の無駄になってしまいます。
効率の良い勉強法について書かれた、メンタリストDaiGoさんの著作「最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法」を読みましたので、自分の勉強を兼ねてその内容をまとめたいと思います。
あなたも効率の良い勉強法を身につけて、受験に合格したり、資格を取得してキャリアップを目指しましょう!
目次
アクティブ・ラーニングとは
効率の良い勉強法を一言で表すと「アクティブ・ラーニング」です。
「アクティブ・ラーニング」とは、アクティブ(積極的)にラーニング(学習)に取り組む手法のこと。読んで字の如くですね。
先生が教科書を読み上げたり、黒板に書いたりするのを眺めているだけでは、中々内容が身につかないというのは、あなたも学生の頃に経験があるのではないでしょうか?
「アクティブ・ラーニング」はそういった学習法と対極にあるものと思っておけば良いと思います。
勉強をアクティブ・ラーニング化する方法は、大きく「想起」と「再言語化」の2つに分かれます。
想起
「想起」とは「思い出すこと」です。
人間の脳が最も活性化し、頭に情報を刻み込むのに最適な時期は、「思い出す」作業をした直後です。
つまり、「思い出す」という作業を勉強法に組み込むことで、積極的に勉強に取り組むことができ、勉強の効率が上がります。
「想起」の手法としては、以下のようなものがあります。
- クイズ化
- 分散学習
- チャンク化
クイズ化
「クイズ化」は分かり易いのではないでしょうか?
自分が覚えたい情報をクイズにして、自分の記憶をテストしてみる方法です。
例えばテキストを1ページ読んだら、一旦本を閉じて今のページに何が書いてあったか思い出してみる。簡単なようで、やってみると意外と難しいと思います。人間の記憶というのは当てにならないものなので、合間に「想起」を挟むことで学習効率をアップさせることが出来ます。
分散学習
「分散学習」は、「復習の間隔を少しずつ伸ばすテクニック」のことです。
人間の脳は、刺激を与えられたニューロンが記憶のネットワークを組み立てるまでに時間を必要とします。
その為、時間をあけて繰り返し同じ内容を勉強(復習)すると記憶が定着するのです。
復習を繰り返すと、記憶が薄れるまでの時間が長くなるので、徐々に間隔を長くしていきます。
実際に行う場合は、1つの勉強をしたら一旦他の教科に移り、数日後に最初に勉強した内容を復習するといった感じです。
チャンク化
「チャンク化」は「バラバラの情報を何らかの法則に基づいてグループにまとめ、頭に残り易くする方法のこと」です。
「チャンク」とは「意味のあるかたまり」を指します。
例えば、携帯電話の電話番号は11桁の数字ですが、これを単純に覚えるのはかなり難しいと思います。しかし、間にハイフンを入れて「○○○-××××-△△△△」のように区切ると、格段に覚え易くなります。これが「チャンク化」です。
「チャンク化」のまとめ方は、自分が分かれば良いので、どんなまとめ方でも構いません。大量のチャンクを頭に刻み込むと、情報の処理スピードが速くなり、傍目には天才のような直感力を発揮することが出来ます。
再言語化
「再言語化」は「自分の言葉で言い直してみること」です。
難しい言葉の意味を、そのまま理解しようとしても中々難しいですが、自分なりに分かり易く言い換えることで理解し易くすることが出来ます。
再言語化の手法としては以下のようなものがあります。
- 自己解説
- ティーチング・テクニック
- イメージング
自己解説
「自己解説」は「勉強で学んだ内容について、自問自答を繰り返しつつ理解を深めていくテクニック」です。
学びたい内容をシンプルな文章にして、それに対して「why(原因)」または「how(メカニズム)」に関する質問を自分に投げかけます。
出てきた回答に対して新たな疑問が湧いたら、それに対しても質問を繋げていき、最後に自分の回答が正しいかどうか確認テストをします。
人間は問題の解答を見ると、全て理解出来たような気になりますが、実際に自分で解いてみようとすると出来ないことは多いものです。自己解説を行うことで、自分の本当の理解度を把握し、知識のウイークポイントを見つけることが出来ます。
ティーチング・テクニック
「ティーチング・テクニック」とは、「自分が勉強した内容を他人に説明してみる手法」です。
他人に上手く説明する為には、まず自分がしっかり理解している必要があり、相手に伝えるということが一種のプレッシャーとなって勉強のモチベーションも上がります。
実際に教える相手が居ないという人でも、「教えるつもり」で勉強したり、アヒルのおもちゃ(お風呂に浮かべる黄色いアレです)に向かって説明するだけでも効果があることが確認されています。
イメージング
「イメージング」とは「何らかのシーンを頭に思い描いて学習を促進するテクニックの総称」です。
- 架空の議論を思い描く「イメージ・ディスカッション」
- もし親しい友人が同じ問題に取り組んでいたらどう考えるか思い描く「ソロモン・イメージング」
- 英文の主人公を自分にして読む「パーソナライズ音読」
以上のような手法があります。
イメージの力を使うことで脳を活性化させ、理解力を上げることが出来ます。
勉強前の準備
学習の成果を大きく高める為には、アクティブ・ラーニングを実践するだけでなく、「勉強前の準備」も重要な要素です。
勉強の前から念入りな準備を行うことで、アクティブ・ラーニングの効果を充分に引き出すことが出来ます。
勉強前の準備として行うものは、以下のようなものがあります。
自己超越目標を持つ
「自己超越目標」とは「自分の身の丈を超えた大きな目的やゴールのこと」です。
「良い仕事につきたい」や「お金を稼ぎたい」のような自分の欲望を満たす小さなゴールではなく、「恵まれない人を救う仕事につきたい」や「不平等な社会システムを変える為にお金を稼ぎたい」のような目標が「自己超越目標」になります。
「自己超越目標」を考えることで、自分が学ぶ知識と目標が繋がるようになり、モチベーションを上げることが出来ます。
知っていることを書き出す
人間の記憶には、古い情報と新しい知識を結びつけながら覚える仕組みがあります。
その為、これから勉強することに関わりがある内容で、自分が既に知っていることを事前に書き出しておくと、新しい情報を理解し易くなり、記憶への定着率も高くなります。
好奇心を刺激する
興味の無いジャンルの情報は、覚えようと思っても中々覚えられない経験は無いでしょうか?
人間は興味があるものに触れると、好奇心をかき立てられて脳の報酬系と呼ばれるエリアが活性化します。報酬系は人間のモチベーションを司る為、興味があるものに触れると、やる気もアップするわけです。
目の前の勉強に興味が湧かなくても、勉強前に好奇心を刺激するようなものに触れておくだけで、やる気をアップさせる効果があります。
音楽を正しく使う
音楽を聴くという行為は脳の負荷になります。
その為、勉強中にBGMを流すのは逆効果です。好きな音楽を聴くのは、勉強前と休憩中にして、勉強中はBGMを流さない方が良い結果を生みます。
自然音(風の音や鳥の鳴き声等)だけは、逆に注意力を上げる効果が確認されている為、勉強中は自然音を流すか、無音状態にするのがベストになります。
戦略的リソース利用法
「戦略的リソース」とは「問題を解決するのに役立ちそうな手段、データ、人間関係」のことです。
勉強を行う前に、これらのリソースからどれをどのように使用するか、事前に計画を立てるだけで成績が向上したり、ストレスレベルが低下する効果があります。
また、目の前の問題点と解決までのロードマップが見えてくるので、自分が努力するべき優先順位もつけ易くなります。
自然の力で集中力を倍にする
自然には私達の集中力を高める作用があることが確認されています。
週1回自然豊かな公園に行って勉強するだけでも集中力が高まります。また、勉強の前に裸足で芝生や土の上をウォーキングするとワーキングメモリ(短期的に情報を処理する脳の機能)が高くなることが確認されています。
ワーキングメモリが高いほど、情報処理能力が大きく成績も良い傾向が報告されています。
ピアプレッシャーでやる気を出す
「ピアプレッシャー」とは「仲間からの圧力」を意味する言葉です。
周りの皆がやっているから自分もやるという心理を指しており、それだけ聞くと悪いイメージ(周りがみんな人と違う意見なので黙っている等)があるかもしれません。
しかし、逆に周りに熱心に勉強している人が多い場合は、「自分も頑張らなくては」という意識が起こり、集中力やモチベーションを高めることが出来ます。
意志が弱い人は、図書館等の勉強している人が多い場所へ行って、ピアプレッシャーを上手に利用しましょう。
勉強後の過ごし方
これまでご紹介した方法で、勉強した内容を記憶として定着させることが出来ます。
しかし、実際に情報を活用するには、記憶から「使える知識」へ変えることが必要です。
「使える知識」を養うにはどうしたら良いのか?
その答えが「勉強後の過ごし方」にあります。
集中モードと緩和モード
脳には以下の2つのモードがあります。
- 集中モード
1つの情報だけに意識が向かい、必死で知識を取り込もうとする状態。 - 緩和モード
脳がリラックスし、頭の中にある複数の情報を結びつけようとする状態。
学習の成果を出すには両方のモードが必要です。
まず、集中モードで情報を吸収し、緩和モードに切り替わると情報と情報を結びつけて応用が利く知識へと変えていくのです。
集中モードだけでは、情報を吸収しても点が増えるだけで頭の中で線にならず応用が利かない為、成果が出せなくなってしまいます。
つまり、勉強で成果を出せるかどうかは、集中した後にとる休息の質にかかっているのです。
ウェイクフルレスト
「ウェイクフルレスト」とは「何もしないでボーッとする」ことです。
勉強後に、何もしないで目をつぶって休むと、周囲の情報を取り込む必要がなくなる為、脳に余裕が生まれて吸収した情報を記憶として定着させる効率が上がります。
一見無駄な時間のようで、脳は記憶を定着させる為に働き続けており、とても重要な休息タイムなのです。
マインドフルネス瞑想
「マインドフルネス瞑想」は「今、この瞬間」に注意を向け続ける瞑想法です。
元々は不安症や神経症の対策等に用いられていた技法ですが、最近の研究で文書の理解力と集中力が大きく向上することが確認されています。
瞑想をすると脳を緩和モードに切り替えることが出来るので、勉強後の休息にも有効でしょう。
効率が悪い勉強法
これまで、効率の良い勉強法についてご紹介しましたが、「超効率勉強法」には効率が悪い勉強法の例も記載されています。それは以下の7項目です。
一般的には、効果的な勉強法とされているものもあるので、あなたも知らずに行っていないか確認してみて下さい。
- ハイライト/アンダーラインを引く
- 語呂合わせ
- テキストの要約
- テキストの再読
- 集中学習(1つの内容について集中して勉強する)
- 自分の学習スタイルに合わせる
- 忘れる前に復習する
まとめ
「超効率勉強法」にかかれている科学的根拠に基づいた様々な勉強法をご紹介しましたが、これらはまだほんの一部に過ぎません。
解説した内容についても、要点を抜き出しただけで全てをご紹介出来ているわけではありません。「超効率勉強法」には、実際に効果が確認された実験の内容等も記載されているので、そちらも読まれた方がより勉強法の効果に確信を持って取り組めると思います。
あなたもぜひ「超効率勉強法」を読んで、効率の良い勉強法を手に入れて下さい。
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